カワイ Kawai

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セピア調のまろやかな音色を奏でるメーカー。静岡・竜洋にて製造。
アクション部には木材の代替品として樹脂による新素材を積極採用。フラッグシップモデルSKシリーズにはエゾ松を天然乾燥させた響板が使用されています。あまり派手でない重たい質感の響きが持ち味。

プラスチック部品&抵抗感のあるタッチは好みが分かれるところ。
スタインウェイ・デザインのBoston(ボストン)、澄んだ音色から和製ベヒシュタインと称されるDiapason(ディアパソン)も同工場で生産。

2012.12.28
SK-EXとラヴェル〈左手のためのピアノ協奏曲〉の組み合わせ。
モスクワ出身のパヴェル・ネルセシアンは1985年ベートーヴェン
国際コンクール第2位、1991年ダブリン国際ピアノ コンクールでは
優勝。現在はモスクワ音楽院で教鞭を執っているとのことです。
カワイ主催の公開レッスン等で度々来日しているようですね。
コンチェルト向きの明確な音質。余韻は少なめ、男声的な響き。
スタインウェイの開放的な響きとはやはり性格が異なります。

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■J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲BMV988(デビッド・コレヴァー)

David Korevaar
アメリカが誇る巨匠アール・ワイルドのお弟子さん。演奏活動、執筆、コロラド大学教授と多方面で活躍しているアメリカ人です。かつては師匠と同じくボルドウィン・アーティストでしたが、最近はシゲルカワイで録音しているようです。

通に人気のピアニストとの評判だけに、よくアイデアが練られた演奏。リピートでは装飾音をこってり盛り込んで弾いています。ゆったりとした曲想では楽器の性格との相性の良さを感じました。

シゲルカワイSK-EXコンサートグランド(#2425001)使用。教会で収録されたようで残響が多めです。円やかな音で少し陰がある趣き、しっとりした質感がとても個性的です。

<2008>Ivory Classics    

■ショパン:第14回ショパン・コンクール・ライヴ(イングリット・フリッター)

Ingrid Fliter (1973~ )
2000年に開催された第14回ショパン・コンクール第2位。マルタ・アルゲリッチと同じアルゼンチン出身。10歳からピアノを始めたそうです。

南米の女性らしい情熱的な演奏。完成度の高い大人のショパン。優勝できなかったのは27歳という高齢が理由との憶測もあるほど。確かに聴衆を惹きつける音楽的な魅力がすでに備わっています。ソナタ3番や前奏曲では起伏に富んだ歌い回しを聴かせてくれます。

2次予選・本選ともカワイEXを使用。抑制のきいた円やかな音、重心の低い響きです。エモーショナルに奏でる彼女の個性と、野太く鳴り響くカワイEXがうまく調和しているように感じます。

<2001>maxell              

■ショパン:エチュード集 Op.10&Op.25 (アンナ・マリコヴァ)

Anna Malikova (1965~ )
1990年第12回ショパン・コンクール第5位。旧ソ連ウズベキスタンの出身。名教師ゲンリッヒ・ネイガウス門下生のレフ・ナウモフに師事。

Op.25-6は3度、Op.25-8は6度の運指を鍛える練習曲。細やかな指のメカニックが地味に問われる弾き手泣かせの曲ですが、確かな技量で深みのある演奏を聴かせてくれます。日本では知名度が低いながらも筋の良さを感じる録音。3つの新練習曲(遺作)も収録。

高音部が硬めに整音されているものの全体的に暗いトーンのカワイEX。おそらく1998年にReal Soundレーベルで録音した音源と同一。
<2004>Classical Records

■リスト:ロ短調ソナタ S178 他 (フセイン・セルメット)  New!

Huseyin Sermet (1955~ )
トルコ・イスタンブール出身。1968年パリ国立音楽院入学、1970年より作曲をオリヴィエ・メシアンに師事。2010年NHKで放送されたスーパーピアノレッスンでの熱血指導ぶりは記憶に新しいところ。

強弱・緩急を効果的に用いてドラマチックにロ短調ソナタを演出しています。ワーグナーの死を予感しながら作曲した<悲しみのゴンドラ>等、宗教的な色合いが強いリスト晩年のマイナー作品を多数収録。

重量感を伴うカワイEX独特の暗い響きが深い悲しみを感じさせる曲調に合っています。高音域にあまり派手さが無いのもカワイの特徴。
<2001>naive

■ラヴェル:クープランの墓 ショパン:24の前奏曲 (イーヴォ・ヤンセン)

Ivo Janssen (1963~ )
オランダ出身のピアニスト。アムステルダムのスヴェーリンク音楽院で学びアンジェイ・ヤシンスキ(第14回ショパン・コンクール審査委員長)に師事。1987年?エリザベート・コンクールのセミ・ファイナリスト。

全6曲から成る《クープランの墓》は古典的舞曲の要素を用いた組曲。中でも第6曲〈トッカータ〉はスタイリッシュでピアニスティックな作品。これでもか!と頻繁に高速連打が登場する難曲ですが、アクションが円滑に機能しているようで各音の粒がきれいに揃っています。

EXコンサートグランド使用。教会でライヴ録音されたとのこと、聴衆の拍手も入っています。デビューCDですがショパンの前奏曲も含めて入魂の演奏。コツーンとしたカワイらしい響きが味わえます。
<1988>GLOBE                          後輩A君より音源提供

■ラフマニノフ:ピアノソナタ2番 ショパン:バラード4番 他(フランチェスコ・チポレッタ)

Francesco Cipolletta
ライナーノーツによるとトリノ出身の若手?イタリア人ピアニストだそうです。世界各地で演奏活動をする傍らトリノ音楽院にて後進の指導にあたっているとのこと。写真でみる限りなかなかの貫禄です。

スカルラッティやクレメンティなどイタリア古典を交えた選曲。個人的に好きなショパンのバラード4番は終始ブレない誠実な演奏。ラフマニノフのソナタも真摯な姿勢で弾いています。楽器のどっしりした音質がどこかロシアの大地を思わせる感じで意外にハマっています。

カワイEXを使用。残響がデッドで弦をアタックするハンマーの質量感が(とくにペダルの使用が少ない古典の演奏で)ダイレクトに伝わってきます。ぜひ試弾される方もバッハやモーツァルトなどで楽器本来の響きを確認してみて下さい。右ペダルを多用すると、どんなピアノでも鳴り響いて「素晴らしく」聴こえることがあるので気をつけましょう。
<1999>Real Sound               

■ガーシュイン スクリャービン ショパン (イゴール・ロヴチンスキー)

Igor Lovchinsky (1984~ )
ロシア・カザン出身。2歳からピアノを始めコンクールの入賞歴も多数。1994年以降アメリカに拠点を移して活動する若手ピアニストです。第15回ショパン・コンクールにも参加。(惜しくも一次予選で落選)

テンポを崩して情緒たっぷりのショパン。少々しつこさを覚えますが逆にスクリャービンではそのねっとり感が良くフィットしている印象です。アール・ワイルドが練習曲として技巧的にアレンジしたガーシュインの7つの小曲では彼の演奏スキルの高さを窺うことが出来ます。

シゲルカワイSK-EX(#2425001)使用。同じIvoryレーベルということもあり前述のデビッド・コレヴァーと同一ピアノで録音してます。ほの暗い音質とメランコリーなロシア物は悪くない組み合わせ。ガーシュインのようなノリの良い陽気な曲では音が少し重いように感じます。
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<2007>Ivory Classics       

■ドビュッシー:前奏曲集 第1巻・第2巻 (園田 高弘)

Takahiro Sonoda
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