ファツィオリ Fazioli

◆ファツィオリ動画  Fazioli×YouTube 

甘美でvelbet(ベルベット)な音色をもつ楽器。伊サチーレにて製造。
響板はストラディバリウスにも使われている赤トウヒ材。手間をかけてボディのシーズニングを徹底することで上品な色気ある響きを実現。例えるなら芳醇でまろやかな赤ワインといったところでしょうか。創業30年でトップブランドの仲間入りをした特筆すべき新興メーカー。

日本でも話題性は高く、中には歴史の浅さを懸念する人もいますが、伝統やブランドに囚われず価値判断できる方から支持されています。カナダ、アメリカ、ドイツ等、既に海外では高評価を得ているピアノ。

2012.9.17
ジャズ界のビッグネーム、ハービー・ハンコックもファツィオリ愛用者。
2007年に発売された『RIVER』のレコーディングにも使われています。
今回はジャズのスタンダードとなった“Cantaloupe Island ”をどうぞ。

慣習に縛られることなく常に新しいジャズの形を模索するハンコック。
そのモダンな音がクリエイターとしての感性を触発するのでしょうか

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ファツィオリ動画を気ままに更新

■バッハ・パフォーマンス・オン・ザ・ピアノ(アンジェラ・ヒューイット)※DVD

Angela Hewitt (1958~ )
カナダ・オタワ生まれ。現代きっての女流バッハ弾き。
トロントで開催された1985年国際バッハ・ピアノコンクール第1位、CDのライナーノーツを自ら執筆する学者肌のピアニスト。最近の演奏活動では積極的にファツィオリを弾いています。

このDVDは2枚組、1枚目はピアノによるバッハ演奏についてのレクチャー、2枚目はコンサートライヴを収録しています。とくにレクチャーでは「解釈」「装飾音」など、7つのチャプター別に2時間にわたって熱く語ってくれます。演奏を交えながら解説してくれるので、バッハの曲に取り組まれている方々は必見の資料です。

レクチャー、コンサートともに当然ファツィオリを使用。レクチャーはファツィオリ工場内で収録され、背景には製造過程のピアノケースが整然と立て並んでいます。少しだけアリアを弾くシーンがあるのですが、いつかファツィオリ特有の明朗な音色で彼女の生ゴルトベルクを聴いてみたいものです。
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<2008>hyperion           

ファツィオリ×J.S.バッハ              Fazioli×J.S.Bach

■ベートーヴェン:ピアノソナタ第7番・第4番・〈熱情〉(アンジェラ・ヒューイット)

ときは2006年10月25日、東京オペラシティでヒューイットのリサイタルを初めて聴きました。ファツィオリの明るく澄んだ立体的な音に感動、ホールが豊潤な響きに包まれて至福の時間を過ごしました。

この日のプログラムは前半ラストに〈熱情〉。CDでは説得力ある落ち着いた演奏ですが、まさに熱のこもった迫真の〈熱情〉、スリリングな展開に息を呑みました。公演後にはしっかりサインをGET!

自身が書いたライナーノーツによれば、第一楽章に登場する低音ドの静かな連打は、効果的にするため指を替えてはならないとのこと。それには勿論きちんとした調整と弾きやすさが楽器に要求されます。操作性にも定評あるファツィオリを彼女が愛用するのも頷けます。
話題の4本目のペダルを使用するには絶好の場面かもしれません。
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<2005>hyperion      

ファツィオリ×ベートーヴェン         Fazioli×Beethoven

Igor Tchtuev(イーゴリ・チェトゥーエフ)/2005/CARO MITIS
ピアノ・ソナタ第7番、第23番<熱情>、第26番<告別>。F228 No.2280912使用。モスクワで録音。
Louis Lortie(ルイ・ロルティ)/1991~2010/Chandos
ピアノ・ソナタ全集。第30番~第32番のみファツィオリ録音。第22番~第26番ではOHした1936年製スタを使用。

■シューベルト:ピアノソナタ第21番D960 他(フランク・レヴィ)

Frank Levy
マリア・ティーポ、レオン・フライシャーに師事。クララ・ハスキル・コンクール、リーズ国際コンクールのセミファイナリスト。スイス出身。

「歌曲王」と呼ばれるシューベルトと「カンタービレ(歌うように)な音」と称えられるファツィオリのコラボ。ソナタD960では中高音部のきれいな旋律、伸びのある低音部が楽しめます。「楽興の時」D780全6曲が併録、第3番は「エール・ルス(ロシア風歌曲)」として有名な作品。

カナダ・モントリオールの教会にて収録。明るくクリアな音、ファツィオリらしい重心の高い響き。ただし録音は若干こもっている印象。「ピアニストの演奏と楽器の響きを尊重して編集作業は行っていない」とライナーノーツに記載あるもののダイナミックレンジが狭い感じです。

<2000>PALEXA       

ファツィオリ×シューベルト         Fazioli×Schubert

■ショパン:バラード4番・〈舟歌〉〈英雄ポロネーズ〉 他 (イヴ・アンリ)

Yves Henry (1959~ )
パリ国立高等音楽院の教授。F.リスト、R.シューマン国際コンクール優勝。アルド・チッコリーニのお弟子さん。仏ノアンで毎年夏に開催されるショパン国際フェスティバルの芸術監督も務めています。

ショパンが療養のため滞在したノアンで作曲された1839~1846年の作品を年代順に揃えたCD。深淵な森に佇むようなバラード4番、芳醇な響きで雄弁に語る〈舟歌〉、どの曲も艶やかでノーブルな演奏。

ファツィオリF278使用。ふんわり空間に溶け込むような魅惑的な音色です。低音から高音まで一体感のある見事な整音。弦を叩くハンマーフェルトの適度なクッションが音に深みと奥行きを与えています。現在ショールームに展示されているピアノの音質にとても近い印象。
<2008>                               コンサート会場で購入

■リスト:ロ短調ソナタ ショパン:ピアノソナタ3番 (アラン・ギャンぺル)

Alan Gampel
アメリカ出身のピアニスト。1995年ルビンシュタイン国際コンクールではショパン賞を獲得。高名なハープシコード奏者ワンダ・ランドフスカを親族にもつ芸術一家に生まれた・・・と紹介されています。

ロマン派の作曲家ショパンとリストがともにロ短調で作曲したソナタをカップリング。古典的なソナタ形式に則ったショパンに対してリストの着想は斬新かつ独創的。楽章間の休止が無い故それひとつが大きな楽章ともみなせる大作、デモーニッシュな雰囲気が漂う曲想です。

F278使用。アメリカでは優秀録音と評価されていますが音質が少々派手、国民性の違いでしょうか。以前のファツィオリは音に硬さと芯を残した仕上げでしたが現在はしっとりと抜けの良い音作りへと進化を遂げています。メーカーのイメージを1枚のCD、1台のピアノだけで決めつけずに複数の音源を聴き比べてから特徴のご判断を・・・。
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〈2001〉Mapleshade          

ファツィオリ×リスト                Fazioli×Liszt

■シューマン:幻想小曲集 Op.12 他 (ルシール・チャン)

Lucille Chung
韓国系カナダ人。1989年ストラヴィンスキー国際コンクール第1位、1994年ワイマールで開催された第1回フランツ・リスト国際コンクール第2位。夫はピアニストのアレッシオ・バックス。モントリオール出身。

全8曲からなる幻想的小曲集は情緒に富んだファンタジックな作品。第7曲「夢のもつれ」で指がもつれたレスナーも多いのでは?音質がキラキラしていることも手伝ってエッジが利いた若々しい演奏です。 ほかバッハ・フランス組曲第2番、ドビュッシー<喜びの島>等を収録。

イタリア・サチーレにあるファツィオリの工場に併設されたホールにて録音。全音域にわたって打弦時のハンマーフェルトに芯を感じます。広いホールを意識した仕上げか。芳醇かつ輝かしい音色のF308。 
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<2008>piano culture

ファツィオリ×シューマン           Fazioli×Schumann

■ブラームス:ピアノソナタ第3番 Op.5 他 (バーカード・シュリースマン) Next・・・

Burkard Schliessmann
<1988>BAYER RECORDS