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調律師がユーザーの目線で考える理想的なピアノの選び方

■本当に後悔しないピアノ選びとは・・・ 購入前の予備知識

よし、思いきってピアノを買うことに決めた!!

そう決意されたあなたは、楽器店に足を運ばれるか、カタログを取り寄せて検討されることでしょう。
また最近ではピアノに関してインターネットで徹底的に調べる方も増えているようですね。

ただいざ買う段階になりますと、なかなか決断できないお客様が目立ちます。
とても高額な品物ですし、(変なピアノを選んで失敗したらどうしよう)と不安な気持ちにもなるのも当然です。
そう、実際に接客をしていますと、本当に多くの方々がピアノを購入する際の選考基準に悩んでいます

一口にピアノを選ぶ基準と言いましても
音、タッチ、価格、サイズ、色、デザイン、材質、ブランド、店、調律師、アフターサービス、などなど
少し思い浮かべるだけでも、これだけ挙がります。

おそらくお客様はカタログやインターネットで沢山の情報が溢れているために、
かえって何を根拠に買えば良いのか迷ってしまうのではないでしょうか。
その結果、もっとも簡単な基準「価格」「見た目」「ブランド」で安易に決めてしまう場合も・・・。
部屋のインテリアとして飾るために購入するのなら話は別ですが、
ピアノは音を楽しむための「楽器」であることをどうか忘れないで下さい。

また一方で、ピアノを扱うセールスマンや調律師も悩んでいます。
「この不景気な時代、いくら音や品質が良くても値段の高いピアノだとお客さん買ってくれないよ…」
もちろん世の中の経済情勢が、嗜好品であるピアノの販売に影響を及ぼすことは違いありません。
ところが、もし仮に
良いピアノの見分け方をお客様が理解されていないとしたら・・・
そのピアノの素晴らしさがお客様に伝わっていないとしたら・・・
売れないのは景気のせいではなく、商品の魅力を説明できない販売サイドの責任であるとも考えられます。

すでに国内においてピアノは一般世帯に広く普及し、(その多くは使用されず眠った状態だったりしますが…)
もはや従来の大量生産・大量販売といったメーカー主導型のビジネスモデルは転換期を迎えています。
これからはグランドピアノや外国製ピアノを求める本物志向の消費者がメーカーと店を選別する時代。
残念なことに、そうした“意識の高い顧客”に対応できる人材とサービスが今の販売現場には不足しています。

このような買い手と売り手の現状、そしてお客様のピアノ選びに幾度となく立ち会った自身の経験をふまえて、
ピアノを探す人にとって必要な知識実践できるテクニックを少しずつご紹介します。
もちろん一般のユーザーは専門家ではありませんから、ピアノの全てを把握することは不可能です。
(とくにピアノ内部については、調律師でも一瞥しただけでは判断できないほどデリケートな問題です)
しかし、初心者であっても勉強して違いのわかる買い手となれば失敗するリスクを減らすことは出来ます。
読んで頂いた皆様に選ぶ楽しさを感じて貰えたら、ピアノを扱う人間としてこれ以上の喜びはありません。

このピアノを選んで本当に良かった!我が家の宝物にしよう♪

HPをご覧になってピアノを購入された方に、そう心から満足して頂ける事が何よりの願いです。

☆POINT
「買ってから後悔しないためにも、まずはピアノという楽器の特性を知りましょう」
Next 「楽器の個性」

■お茶の間にピアノという“小確幸”を

小確幸(しょうかっこう)とは小説家でエッセイストの村上春樹さんによる造語。「さな実なるせ」という意味です。

あなたの小確幸は何でしょうか?
私にとっては音楽コーヒーを傍らに過ごす時間ですね。
日々の暮らしに欠かせないマストアイテムとなっています。

~焙煎されたコーヒー豆を選び、挽き立ての香りに浸りつつ、
自らドリップして淹れたコーヒーの味わいを楽しむひととき~


そんな人を虜にする力が良質なピアノにも秘められているのですが、
コーヒーほどには認知されていないのが寂しいところです。

コーヒーは豆の生産地、焙煎や抽出で味が微妙に異なります。
世界各地で製造されるピアノにもメーカー特有の音やタッチがあり、技術者の調律・調整によってもピアノの性格に違いが生まれます。

いくつもの条件から派生する多様性、そのバリエーションの豊かさ…
なんだかコーヒーもピアノも類似しているように感じませんか?
なくても生きていけるけど、完全に世の中からなくなってしまうと困る点が、両者ともに共通していますよね。(なかば強引?笑)

お気に入りの美味しいコーヒーを家庭で気軽に楽しむように、

“好みのピアノを選んで音楽する”悦びを多くの人に届けよう!

それがこの「理想的なピアノの選び方」コーナーのコンセプトです。
あなたの判断基準を明確にして、唯一無二の音楽的なピアノを一緒に探求しましょう!ピアノ選びの“過程”もまた小確幸なのですから。

気になることがあれば、どうぞ問い合わせフォームよりご質問を。
お答え出来る範囲で、あなたのピアノの悩み不満を解消します!

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